色が消費者に与える心理的効果~色彩心理学とカラーマーケティング~
【色が消費者に与える心理的効果】
~色彩心理学とカラーマーケティング~
色については昔から様々な分野の人たちが研究してきており、人間の行動や心理に影響を与えることが知られています。
例えばファッションだけではなく、広告や標識に使われる色にも工夫があったり、仕事効率や美的効果を図ったりと、カラーデザインは私たちの身の回りで広く取り入れられているのです。
ビジネスのシーンでも、こうした色彩心理学が取り入れられています。中でも戦略的に消費者の購買意欲を促進するのがカラーマーケティングです。
箱などのパッケージは、消費者が最初に目にする商品の印象となり、パッケージのデザインに色彩心理学を取り入れていくことは、重要な販売戦略となりえます。
そこで今回は、カラーマーケティングの視点から、色が消費者に与える心理的効果についてお話していきます。
<色のイメージに影響を与える要素>
まず、色が持つイメージに影響を与える要素として、大きく3つご紹介します。
<色と人間の進化>
人間の進化の過程で体験された「色の情報」は、生きるために必要な情報であり、危険や安全など、命にかかわる情報です。
これらの得られた情報は、後に、人間の生理反応に関わっていったとも考えられています。
<色と文化>
色が持つイメージや意味は、時代や文化などによっても大きな違いがあります。
また、国や文化によって好まれる色の違いや、冠婚葬祭で使用される色にも違いがあることなどは、ご存知の方も多いでしょう。
<色と個人の体験>
私たちは、人によって様々な体験をしており、色と結びついて記憶されたり、思い出したりすることもあるでしょう。
個々人の体験から生じる色へのイメージに、法則を見出すことは難しく、把握することも困難です。
こうした様々な要素によって、色へのイメージは影響を受けています。このことをふまえながら、色と心理的効果についてお話していきましょう。
<色と心理的効果>
有彩色の中で、赤・橙・黄などは「暖色」と呼ばれ、暖かい感じがする色とされてい
ます。
反対に青緑、青、紫みの青などは「寒色」と呼ばれ、冷たい感じがする色です。
また、紫や緑など、暖かくも冷たくも感じない「中性色」と呼ばれる色もあります。
これらの色には、どのような心理的影響があるのでしょうか。
<暖色と寒色が与える効果>
ここでは、暖色と寒色が与える心理的影響についてお話します。
・暖色の心理的効果
「興奮」感情を伴う影響~危険、騒がしい、派手、嬉しいなど
・寒色の心理的効果
「平静」感情を伴う影響~安全、静か、地味、悲しいなど
これら色の心理的効果を、カラーコーディネートに取り入れたり、箱などパッケーの
ジデザインに取り入れたりと、広く使われています。
<色と視認性への効果>
私たちが普段目にする標識にも、色が巧みに使用されています。
視認性の良い組み合わせとして、
・黒地に白
・白地に黒
・赤地に白
・緑地に白
・黄色地に黒
などが挙げられますが、さらに、先述した暖色には「危険」を感じさせる心理的な影
響があることからも、警戒や注意を促す必要がある場面に適している色と考えられて
います。
<明度と重さの感じ方への効果>
色の三属性(色相・明度・彩度)のうち、明度が与える心理的影響のひとつに、「重
さの感じ方」があります。
・白や黄色など、明度が明るいほど軽く感じる
・黒など、明度が暗いほど重く感じる
これらの心理的効果は、空間のカラーデザインやインテリアカラーなどにも用いられ
ています。
一般的には天井を明るくして床は暗く、壁にはその中間色を配置することで、天井の
高い広々とした空間を演出することができるとされています。
<色が与える美的効果>
色は、単色や配色において、好き・嫌い、美しさ・醜さ、快・不快などの感じ方への
影響が古くから研究されています。
<色と文化>
色が持つイメージや意味は、時代や文化などによっても大きな違いがあります。
また、国や文化によって好まれる色の違いや、冠婚葬祭で使用される色にも違いがあ
ることなどは、ご存知の方も多いでしょう。
<色と個人の体験>
私たちは、人によって様々な体験をしており、色と結びついて記憶されたり、思い出
したりすることもあるでしょう。
個々人の体験から生じる色へのイメージに、法則を見出すことは難しく、把握するこ
とも困難です。
こうした様々な要素によって、色へのイメージは影響を受けています。
このことをふまえながら、色と心理的効果についてお話していきましょう。
<色と心理的効果>
有彩色の中で、赤・橙・黄などは「暖色」と呼ばれ、暖かい感じがする色とされてい
ます。
反対に青緑、青、紫みの青などは「寒色」と呼ばれ、冷たい感じがする色です。
また、紫や緑など、暖かくも冷たくも感じない「中性色」と呼ばれる色もあります。
これらの色には、どのような心理的影響があるのでしょうか。
<暖色と寒色が与える効果>
ここでは、暖色と寒色が与える心理的影響についてお話します。
・暖色の心理的効果
「興奮」感情を伴う影響~危険、騒がしい、派手、嬉しいなど
・寒色の心理的効果
「平静」感情を伴う影響~安全、静か、地味、悲しいなど
これら色の心理的効果を、カラーコーディネートに取り入れたり、箱などパッケーの
ジデザインに取り入れたりと、広く使われています。
<色と視認性への効果>
私たちが普段目にする標識にも、色が巧みに使用されています。
視認性の良い組み合わせとして、
・黒地に白
・白地に黒
・赤地に白
・緑地に白
・黄色地に黒
などが挙げられますが、さらに、先述した暖色には「危険」を感じさせる心理的な影
響があることからも、警戒や注意を促す必要がある場面に適している色と考えられて
います。
<明度と重さの感じ方への効果>
色の三属性(色相・明度・彩度)のうち、明度が与える心理的影響のひとつに、「重
さの感じ方」があります。
・白や黄色など、明度が明るいほど軽く感じる
・黒など、明度が暗いほど重く感じる
これらの心理的効果は、空間のカラーデザインやインテリアカラーなどにも用いられ
ています。
一般的には天井を明るくして床は暗く、壁にはその中間色を配置することで、天井の
高い広々とした空間を演出することができるとされています。
<色が与える美的効果>
色は、単色や配色において、好き・嫌い、美しさ・醜さ、快・不快などの感じ方への
影響が古くから研究されています。
配色には
・同一色相
・類似色相
・反対色相
などの組み合わせがあり、これらは、
・きれい–きたない
・感じが良い–感じが悪い
・さっぱりした–こってりした
・粋な–野暮な
・調和–不調和
など様々な心理的影響を与えると言われています。
こうした色の組み合わせ、カラーイメージを利用し、箱などのパッケージデザインに
も取り入れられています。
<色が与える味覚や食欲への効果>
色が与える感じ方は、味覚にも影響することがわかっています。
例えば、黄色と赤色の液体では、緑色よりも甘く感じるという研究結果があるほか、
日本の20歳代を対象にした研究では、
・黄色~酸味
・茶色~苦味
・ピンク~甘味
・無彩色~塩味
などのイメージがあるとの報告もあります。
また、色は食欲へも影響を与えるとされており、同じく日本の20歳代を対象にした
研究では、赤・橙・黄の暖色が「食欲を増進する色」として報告されています。
<色彩心理学とカラーマーケティング>
色彩心理学は、戦略的なカラーマーケティングを実践する上で重要です。
お話してきましたように、色は人間の心理へ様々な影響を与え、またそのカラーイメ
ージには、国や文化、年齢や個人の体験など、様々な要素が関わっています。
そのことをふまえながら、箱などパッケージのデザインには、効果的な戦略を立てて
取り入れていきましょう。
【参考論文】
・明智 しおり『色彩が消費者心理に与える影響について-食品パッケージにみる”
青”の考察-』
・大山 正『色彩の心理的効果』
・奥田 弘枝・田坂 美央・由井 明子・川染 節江『食品の色彩と味覚の関係–日本の
20 歳代の場合』
【参考文献】
・仕事でつかえる色彩学 色の基礎から応用まで。
https://www.toyoink1050plus.com/color/chromatics/basic/006.php